片頭痛
前回は緊張型頭痛について説明しましたが、今回は片頭痛についてお話しします。
片頭痛は、片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、脈を打つように
「ズキンズキン」と痛むのが特徴です。痛みは4~72時間続きます。
片頭痛の主な症状
痛み方
・時々起る(間欠的)
・ズキンズキンあるいはガンガンと脈打つような痛み(4~72時間)
痛みの場所
・頭の片側に起こることが多いが両側のこともある。
頻度
・月に1~2度、多くて週に1~2回
経過
・痛みは1~2時間でピークに達し、吐き気や嘔吐を伴なう事もある。
・動くと痛みが悪化する/動くよりじっとしている方が楽
・痛みの発作が起きている間は、姿勢を変えたり、頭をちょっと傾けたり
するだけでも痛みが強くなる
痛み以外の症状
・頭痛に伴って吐き気がしたり、胃がムカムカすることがある
・頭痛に伴ってふだんは気にならない程度の光がまぶしく感じることがある
・頭痛に伴ってふだんは気にならない程度の音がうるさく感じることがある
・頭痛に伴ってにおいが嫌だと感じることがある
前兆
●頭痛が起こる前兆として、目の前にチカチカとしたフラッシュ
のような光やギザギザした光があらわれたり、視野の一部が見
えにくくなる閃輝暗点(せんきあんてん)が出ることもある
頭痛の前兆
片頭痛は、「前兆のない片頭痛」と「前兆のある片頭痛」の2タイプに分けられ、
前兆のある人は20~30%といわれています。
前兆のある片頭痛では、頭痛が起こる前に、いくつかの前兆がみられます。
目の前にチカチカと光るフラッシュのようなものがあらわれ、視野の片側、
または中心部が見えにくくなる閃輝暗点(せんきあんてん)を生じたり、
手足のしびれ、感覚が鈍くなる感覚異常、言葉が話しにくくなる失語性言語障害
がみられる場合もあります。
このような前兆はおよそ15~30分で消失し、続いて頭痛が始まります。
- 閃輝暗点(せんきあんてん)とは?
視野の中にチカチカ光る小さな点があらわれ、それが次第に大きくなっていきます。
場合によっては視野の片側がまったく見えなくなったり、中心部がぼやけて見えにくく
なったりもします。
-
※注意事項
片頭痛は、いったん治まると痛みはウソのように消えてしまい、ふだんは何の症状もありません。そのため、痛み出したときだけ市販の鎮痛薬を飲んで、我慢してしまう人が少なくありません。市販薬でうまくコントロールできていれば問題ありませんが、(1)痛みが頻回、(2)市販薬が効かない、(3)毎日のように鎮痛薬を服用している、(4)寝込んでしまうなど、日常生活に支障がある場合は、自己対処がかえって頭痛をこじらせてしまうこともあります。自己判断で対処せず、早めに医師に相談するようにしましょう。
片頭痛の分類
頭痛の国際的な診断基準である国際頭痛分類第2版(ICHD-II)では、片頭痛は「前兆」の有無により、「前兆のない片頭痛」と「前兆のある片頭痛」に大別されています。
前兆のない片頭痛
1.1 前兆のない片頭痛の診断基準
- A. B~D を満たす頭痛発作が5回以上ある
- B. 頭痛の持続時間は4~72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)
- C. 頭痛は以下の特徴の少なくとも2項目を満たす
1.片側性
2.拍動性
3.中等度~重度の頭痛
4.日常的な動作(歩行や階段昇降などの)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける
- D. 頭痛発作中に少なくとも以下の1項目を満たす
1.悪心または嘔吐(あるいはその両方)
2.光過敏および音過敏 - E. その他の疾患によらない
前兆のある片頭痛
1.2.1 典型的前兆に片頭痛を伴うものの診断基準
- A. B~D を満たす頭痛発作が2回以上ある
- B. 少なくとも以下の1項目を満たす前兆があるが、運動麻痺(脱力)は伴わない
1.陽性徴候(例えばきらきらした光・点・線)および・または陰性徴候(視覚消失)を含む完全可逆性の視覚症状
2. 陽性徴候(チクチク感)および・または陰性徴候(感覚鈍麻)を含む完全可逆性の感覚症状
3.完全可逆性の失語性言語障害
- C. 少なくとも以下の2項目を満たす
1.同名性の視覚症状または片側性の感覚症状(あるいはその両方)
2.少なくとも1つの前兆は5分以上かけて徐々に進展するか、および・または異なる複数の前兆が引き続き5分以上かけて進展する
3.それぞれの前兆の持続時間は5分以上60分以内
- D. 1.1「前兆のない片頭痛」の診断基準B~Dを満たす頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる
- E. その他の疾患によらない
日本頭痛学会・国際頭痛分類普及委員会 訳:国際頭痛分類 第2版 新訂増補日本語版 医学書院:3, 2007
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